札所9番・明智寺(あけちじ)
8番から9番への1.8 kmの道もけっこう好きな道だ。武甲山を背にして、畑をぬって歩いて行ける。巡礼は車で行く人が多いようだが、おそらくこんな景色はあまり目にしないでドンドン先に行ってしまうだろう。僕も最初に巡礼を始めた2009年はバイクでまわっていたので、ひとつ終われば、はい次という気持ちで、どちらかというとスタンプラリーにようになっていた。それはそれで面白かったが、何かお寺に到着するのが目的で、巡礼全体の雰囲気を感じることはなかった。なので2回目から徒歩で番号順と厳しく決めた。でもやってみれば明らかにこっちのほうが気持ちいい。
黒い雲を横目に、9番に向かう。今はスマートフォンを持っていれば、雨雲のポジションと方向を予測できる。雲は9番のほうには来ないようなので、ゆっくり歩く。ここまで順調で、お昼過ぎには9番も終わりそうだ。
この付近は三菱マテリアルのセメント工場があり、いきかう車はダンプが多い。数は多くないが、歩道の幅がせまい道でけっこうなスピードで走ってくる。こんな場所を歩く人もほとんどいないのだろうが、巡礼古道とするからには、もう少し歩道の幅がほしい。この道を使わないと、国道140号にいったん出て、横瀬駅方面にやや戻るかたちになる。もしご飯をたべるのならいくつかレストランやセブンイレブンもあるのでいいかもしれないが、道はつまらない。しかし時間がお昼近くなると、どこでお昼ごはんにするかも予定しておかないと、けっこうご飯難民となる。車があればちょっと繁華街に行けるが、歩きだと往復2時間はかかる。
それにしても、この後のご飯のことを考えながら歩くのは、なんて楽しいのだろう。しかしその期待はこの日裏切られることになる。
歩道幅のない道から脇に入ってしばらく行くと、9番。ちょっと本堂の雰囲気がほかのお寺さんとは違う。小ぶりな朱色の本堂は可愛らしい。誰もいなかったのでちょっと安心。先にお参りして、お経を読み、ご朱印をお願いしたところで、12時15分だったことに気付いた。お寺さんも、一日いるとは言え、お昼時にいろいろ頼まれたら困るだろう。なるべくお昼時はさけたほうがよいのだろう。案の定、「すみませーん」と呼びかけたあと、お箸をおく音がした。ご住職さんごめんなさい。
明智寺はこんなところ
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