札所11番・常楽寺(じょうらくじ)

実は10番から山越えの道があるようなのだが、よく見当たらない。たまにはアスファルトより土の道を歩きたい。11番までは1kmなので大した距離ではない。よく探すが結局墓地の中をうろうろしているだけで、一向に脱出できない。あきらめて国道にでてアスファルトの道を進む。このあたりは秩父市の中心に向かう道なので結構混み合う。旅の情緒という点では、かなり満足度は低い。なので、事務的に歩く。事務的というのは、つまりただひたすら歩く。何も考えない。只管打坐みたいな歩きだ。景色にも目をやらない。行きかう車に気を付けて、次に進むだけだ。僕はハードコンタクトレンズを使っているので、ダンプカーなんかが勢いよく走ると砂ぼこりで目をやられる。それはかなり痛みを伴うこともあり、必死で目を開けたまま、コンタクトをつまみだし口の中にいれる。本当は口の中は清潔ではないので好ましくないのだが、なくさないためのベストな選択肢だと思っている。それを防ぐため、ダンプが来るたび目を極力細める。街中や電車の中でこれが起きると大変だ。とめどなく流れる涙を、しばらくの間ハンカチでおさえなくてはならない。

羊山公園の手前を右折して、しばらく行くと11番の入り口だ。鳥居もあったりして、お寺か神社か、よくわからない入口だ。


この場合、鳥居をくぐらないほうが正解なのだろうか。11番の納経所では、張り紙があって、態度の悪い人は対応しません的なことが書かれてある。ルールに厳しいお寺さんなのかと思って、峻として納経帳をお願いすると、以外にもフレンドリーに、「雨たいへんじゃなかったー?」と話しかけてくれました。

これで今日の目的は達成した。しかしまだ2時前。市街にでてちょっとコーヒーでも飲もうかと思いつつ、ふらふら歩いているうちに結局12番方向に歩いていた。


秩父札所巡り記

秩父の札所巡りをしています。季節によって変わる景色の中にあるお寺さん。 変わる自然と、変わらない歴史。 34のお寺をお参りすると、自分の中にいろんな想い出を作ることができるようです。

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