札所12番・野坂寺(のさかでら)
12番までは1.5 kmということで、30分もかからない。帰ろうか、市街に行こうかフラフラ歩いて、結局巡礼道をたどることになる。なにせまだ2時だからもう少し何かしたい。歩きだすと不思議なもので巡礼のリズムがでてくる。このリズムで歩き出すと、次のお寺さんにたどり着くまで足がとまらない。けっこうひなびた雰囲気なって、細い道になってきた。やっぱり歩くなら国道より田舎道のほうが気持ちいい。
そしてあっという間に12番。僕の印象では鎌倉の長谷寺みたいな感じだ。つまりお寺のデパート。いろんな要素がある。仏像や庭園、豪華な造りの本堂では木魚もたたかせくれる。ここではお経を読むのも恥ずかしくなくできた。夏休みだからだろうか、少学3年生くらいの女の子が僕がお経を読んでいる間、本堂でずっと側転していた。たぶんお寺の親戚かなんかだろう。僕もよくやったことを覚えているけど、誰か人が訪ねてくると、ちょっと興奮して派手なアクションでお迎えしたくなるのだろう。お経を読み終えたころには残念ながら、お母さんに呼ばれて奥に行ってしまった。
12番のある野坂は中学生のころよく来た場所だ。この町に住んでいる女の子に片想いしていて、この辺にいれば偶然会えるんじゃないあかなーと思って、よくうろうろしていた。一度も会えなかったけど、実際会えたら何をするつもりだったのだろう。ろくに話もできない田舎の中学生だったはずだ。できればあの時の自分にあって詳細な計画づくりを手伝ってあげたい。こっちの気持ちなど知ることもなかった女の子は別の高校に行って、もう会うこともなかった。初恋はあっけないものです。
12番まで来てしまえば、次は13番からで市街を通り抜けるコースとなる。全然疲れていなかったが、西武秩父駅もそう遠くないし、今日はこれでおしまいにしよう。
12番はお庭もきれいで、仏教のシンボル、蓮もきれいにそろっている。見たこともない仏像も多いし、少しばかり庭に座って心地良い時間を過ごすにはうってつけの場所だ。
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