札所15番・少林寺(しょうりんじ)

14番から15番までも近い。約700m。そして誘惑の多いルートとなる。繁華街を通り抜ける間にけっこう魅力的なお店が多い。おすすめはコーヒーショップぢろばた。僕が高校生の頃からあって本当は学生は禁止だったけど、よく行ってコーヒーを飲んでいた。当時、コーヒーといえばインスタントでネスカフェ的な味しか知らない僕らは、ここでマンデリンとかモカとか、いろいろ豆の知識を得て知ったかぶりのできる大切な場所だった。今でも当時のたたずまいが見られるのはうれしいことだ。

しかし今回はお店の外観を拝んでおしまい。西武秩父駅から出発して、まだ1時間もたっていない。できればお昼前に15番を終了してお昼ごはんにできれば、昼時に参拝することもない。少し急ぎ足で少林寺に向かう。今回はほかに巡礼者は見当たらず、なんとなく孤独な巡礼だ。前回みたいに長々と参拝されるのは少し困るが、番号順に巡礼しているとお寺でいつも顔を合わせるようになる人たちがいる。別に言葉は交わさないのだが、なんとなく同士の感情が沸き起こって、心健やかになる。たいていのお寺さんはご朱印をいただく際は事務的な感じなので、余計なことを話しかけるのははばかられる。だからたまにお寺のご住職にいろんな話をしてもらえると、すごくラッキーな気持ちになる。この日はここまで特にそうしたことはなかったのだが。巡礼に集中すべし、ということなのだろう。

15番も普通の街中にあり、初めてこの辺にくる人にはちょっと難しいかもしれない。巡礼古道のサインもあるが、けっこう商店街のいろんなサインにもごまかされて見過ごしやすいかもしれない。何度も歩いている道だが、Googleマップで確認しながら歩く。大きな「少林寺」のサインで到着。少林寺拳法との関連がありそうな名前だが、全くない。かつての秩父事件に関わった人の歴史が刻まれているお寺だ。

いろいろなお寺でいろいろ歴史が見える。私たちのいるこの時代はどのような記録で歴史となるのだろうか。戦いの歴史になるのは避けたい。


秩父札所巡り記

秩父の札所巡りをしています。季節によって変わる景色の中にあるお寺さん。 変わる自然と、変わらない歴史。 34のお寺をお参りすると、自分の中にいろんな想い出を作ることができるようです。

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