札所18番・神門寺(ごうどじ)

暑い日だったが、ここまでとても順調。体も調子よく、ますます歩きたいかんじになってきた。次はこの日の最後と考えていた18番。17番からは1.1 kmなので約15分程。田舎道というよりは、普通の市街地を抜けている昔の通りという感じが続いている。平日の昼間なのでとても静か。自分の足音だけが聞こえるだけだ。リズミカルな音は心を落ち着かせてくれるし、最早他に何も考えない。次のお寺を目指すのみ。心が健全になっていくような気持になってくる。別に普段ストレスにまみれているわけではないが、こういう普段やらない行動を集中して行うと、脳みその違う部分や、違う神経が使われるようで、心と体のリフレッシュになる。

17番が終わっても、まだ1時20分。しかし西武秩父駅に戻るバスは、1時間に1から2本程度なので、うまく合わせないと待ち時間が長くなる。お寺さんには休憩所があるところが多く、バス待ちもそれほど苦痛ではないが。もちろん天気がよければの話。


単線の秩父鉄道をまたぐ。かつては武甲山からのセメントを運んでいた。おかげで武甲山はかなり削られてしまい、その輪郭もかなり変わった。かつては多くのセメント会社などがあり、秩父経済は武甲山によって支えられていた。今は三菱マテリアルがあるが、昔と比べるとだいぶ縮小したのではないだろうか。

僕は高校生までよく電車に乗っていた。40年くらい前はまだ木の床だったので相当重い車両だったはずだ。秩父鉄道に乗るときは、たいてい遊びに行くときだったので、御花畑駅にいるだけで心が浮き立ったものだ。今でも駅のことを想像するだけで良いイメージばかり浮かんでくる。

18番・神門寺は国道140号線沿いにある。本堂は格調高そうな彫刻が見られ、慎ましく般若心経を唱える。本堂手前にはニコニコ地蔵が祭られている。個人的にはこちらがお気に入りだ。

あまりにこにこしているようには見えないが、中宮寺の弥勒菩薩と同じアルカイックスマイルなのだろう。

付近はふつうの住宅街。国道を走る車の往来で結構うるさい。ここは他のお寺さんとちょっと違う雰囲気がした。今日の予定はここまでだったけどまだ1時40分。近くのバス停を調べると「視目坂下」とある。次のバスは1時55分くらい。ちょうど良い気もしたが、バス停の方向は19番・龍石寺の方向でもあるので、もう一つ行こうかという気になってきた。

秩父札所巡り記

秩父の札所巡りをしています。季節によって変わる景色の中にあるお寺さん。 変わる自然と、変わらない歴史。 34のお寺をお参りすると、自分の中にいろんな想い出を作ることができるようです。

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