札所2番・真福寺(しんぷくじ)
巡礼道はそこかしこに案内版(たまに石)があって、道に迷うことはない。「二番」と書かず「2番」なので外国の人でも行けるのだろう。
1番があっという間に終わったので、2番へと歩き始める。いただいた地図を見ると2.1kmとある。僕は1kmを15分程度で歩くので約30分と見込みたいが、前回歩いた時、きつい坂道に苦労したことを覚えていたので、時間は関係なくとにかくゆっくり行くことにした。舗装されたいる道なので歩きやすい。ヘビもいるようでたまに車におしつぶされたやつを見つける。苦手なので、そのたびに目を背ける。ウヒャーという感じ。自然に道の真ん中を歩く。
次第に坂がきつくなる。この日は最高気温が22度くらいなので、それほど暑い日ではなかったけど、登り始めて15分もすると汗だくだ。息もハァハァと耳につく大きさになってくる。景色は山の中なので緑の木々にディープに囲まれて、新鮮な空気を満喫できるはずだが、そこに意識は及ばなかった。ゆっくり歩いても、途中で休憩したくなる。でも座れる場所はないし、ヘビの恐怖もある。自分なりに「これは修行だ」と言い聞かせて、登り続ける。
ちょっと先のカーブを曲がれば、道が平坦になって、お寺さんが見えてくる、という期待を何度も裏切られ、一方的に登る。秩父巡礼道の前半ではここが一番きついだろう。ふと横を見ると、さっきまで見上げていた山の稜線が次第に横にきている。
日本の多くのお寺には山号があるというのを以前教えてもらったことがある。先祖崇拝の中で、山は霊魂が登っていく場所とかつて信じられていた。そして仏教において、高野山などが山中浄土、聖なる山として扱われ、死者の霊魂が赴く場所となる。その後お寺がたくさん建てられ、墓地も山と同様に魂が赴く聖地となる。だから山中浄土への入り口であるお寺の門は山門となる。
大体そんな流れで聞いたのだが、よく分からなかった。高野山みたいに実際にある山もあれば、浅草寺の金龍山なんて実際にない山の名前もある。法隆寺みたいに山号がないお寺もあるし。答えをクリアに求めないのも正解だろう。
などと実際に考えながら歩いた。結構疲れて、頭が働かないと思ったが、余計なことは考えがとまらない。しかし余計なことでも考えていると、疲れを意識しなくなり、気づいたら2番の入り口だった。この到着は安堵しかない。2番の入り口は石段、で多くの石像が迎えてくれる。時間を見ると、1番出発後、ほぼ30分で到着していた。もっとゆっくりと歩いても良かった。
とりあえず、一休み
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